幼なじみの甘い××。Good night baby★
「がんばれよ、眞緒」
――ぽん、ぽん。
あたしの頭に2回、手をおろして。
ハル兄のカラダは、再びホームに戻っていく。
……スローモーションみたいに。
そして、すーっと扉が閉まった。
「あっ……」
あわてて窓に手をつけて、手を振るハル兄を凝視した。
“おまじないだ”
なんて。
放心するあたしに告げている。
パーだった指先を、Vの字に立てながら。
「もう……もうもうもうっ……ズルイよ、ハル兄」
動きだした窓に、あたしはおでこを押し付けた。
「……あたし、ホントにがんばるからねっ」
姿が見えなくなる直前に叫んだ言葉は、伝わったかどうかは分からない。
でも、
こくんとひとつ、うなずいてくれてたように思う。
「……大好きっ……」って言葉に、
白い息を吐いて、優しい笑顔で見送ってくれながら。
・
・
・