幼なじみの甘い××。Good night baby★
商店街を抜けて、住宅街をふたりで歩く。
「ウレシイなー、お土産。バウムクーヘン、大好きなんだよねー、おかーさん」
何も変わらないおかーさんの明るい声が、冷たい空気の中でよく響く。
「……ふぇ……くしょいっ!!」
言葉の代わりに盛大なくしゃみをすると、ふわりとマフラーをかけられた。
「風邪ひかないでよー。あらやだ、鼻水出てるし」
くすくすと笑われて、新幹線のホームでの出来事を思い出す。
涙と、鼻水まみれの散々な告白。
「……」