【企・雪集】真っ白な二人
帰り道、いつものように並んで歩く。
夕日が二人を照らして、地面に二つの影が映る。
近々雪が降ると言われているのに、今日はいつもよりどこかあたたかい。
雪が降る前兆かな。
「千紗、」
譲の足が、止まった。
「どうしたの?」
それに合わせてあたしも歩く足を止めた。
「俺さ、千紗に言わなきゃいけないことあるんだ」
心臓が、ドキッとした。
残り2日。さすがに何かあるんじゃあないかって、何か言われるんじゃあないかって思っていたけれど。
不意打ちはやばい。
譲が何を言いたいのかはわからない。
この一週間譲の考えてることが何かずっと考えてた。
けどやっぱり答えは出なかった。