【企・雪集】真っ白な二人
探していた答えをやっと聞けるのに、
疑問が解決するのに、聞くのが怖い。
なぜか、とてもとても怖くて。
「あ!あたし今日用事があるんだった。
急いで帰らないといけないこと忘れてた。
ごめん譲、先帰るね」
明らか無理のある理由をつけて、あたしは譲の返事を聞かぬまま走り出した。
逃げたの。
あたしは、また逃げた。
あの頃と一緒。
譲から逃げたの。
なにひとつ変わってないね、あたし。
譲、あたしなにひとつ変わってないよ。
ごめんなさい、譲。
あたしは、やっぱり最低だね。