【企・雪集】真っ白な二人
「ちーさー!」
リビングからお母さんの大きな声が聞こえて、あたしは一気に目を覚ました。
「もう19時よ!あんたいつまで寝てるわけ?
夕ご飯、もうとっくにできてるからね!さっさと食べなさい」
まったく、もう…
とぶつぶつ言っているお母さんの声がした。
あたし、こんなに寝てたの?
有り得ない。
いつの間にか寝てた。
自分に呆れながら、ふと思い出した。
「19時…、19時!?」
“あの場所で、待ってるから!”
譲の言葉を、思い出す。
もう19時。
約束の時間を1時間過ぎてるし、今からあの場所に行ったって19時半にはなる。
待ってないよね、譲。
どうしようか悩んでいると、携帯がチカチカと点滅している事に気がついた。