【企・雪集】真っ白な二人
「あたしは、寂しかったんだ。傍にいて欲しい時に譲がいなくて。
譲は、あたしを本当は見てくれてないんじゃあないかって。好きなのは、あたしだけなのかなって、不安だった」
あたしは譲に抱きついた。
「ごめんなさい、譲。あたしもずっとずっと、譲が大好きだった。
今でも、大好きなんだよ。
だけど、怖くて気付かないフリしてた」
今だからこそ気付いた、あの頃の自分の気持ち。
あの頃あたし達は、お互い幼かった。
自分の事でいっぱいだったんだ。
「もう一度、戻ろう」
『だな、もう一度』
真っ白な雪のように
汚れも曇りもない
真っ白な二人に―――