ラブ*レター
寿「…それが蛍の答え?」


蛍「……寿々奈」


私は笑う。
例え私を好きになってはくれなかったとしても私は蛍を好きだったし。
蛍の瞳に写る最後の私はやっぱり笑ってる私がよかった……。


寿「ごめんね!半年も好きじゃない女の彼氏とかさせて」


自分で言いながら惨めになるよ。
熱くなる目頭。
震え出しそうな声。
揺らぐ蛍の姿。


寿「明日にはきっと素敵な女の子が見つかるよ。他校からも女の子来るし……。学園祭一緒に過ごすだけの彼女ならすぐに見つかるよ。」


蛍「……寿々奈?」


きっともう蛍が私を「寿々奈」と呼ぶのも最後だろう。
私は忘れない。
蛍が呼ぶ「寿々奈」と言う声。


寿「さよなら」


私は涙が溢れそうなのを必死に我慢して蛍の横を通り過ぎた。


蛍は引き留めて言い訳すらしてくれなかった……。


ちょっと遠くで「寿々奈」と呼ばれた気がしたけど…気のせいだろう……。
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