ラブ*レター
ドアを開けた大地くんに楓ちゃんが「何で追い出すのー」と、またしても半泣きだった。
けど、そんな楓ちゃんを無視して、大地くんは「ちょっと台所行ってくる」と言って行ってしまった。


楓ちゃんは心底、不思議そうな顔をしながら部屋に入ってきた。


楓「大ちゃん……、顔真っ赤だったけど、熱でもあるのかな?」


何も知らない楓ちゃんに合わせるように「どうだろう」と答えた。


楓「まっいいや!!萌恵ちゃんこっちおいでよ!!食べよ、食べよ!!……ってほとんど大ちゃんが作ってくれたんだけど……」


申し訳なさそうな表情をした楓ちゃんは、そう言いながら料理を取り分けてくれた。


楓「大ちゃんって恥ずかしがり屋だから付き合うの難しいでしょ?」


うん……恥ずかしがり屋だって、さっきのキスで気付いたんだけどね…?
知るまでは、本当に難しかったよ……
不安にもなるし……


楓「でも、大ちゃんは萌恵ちゃんに本気だからね!!」


萌「え?」


楓「帰ってきてダッシュで、ほとんど大ちゃんが準備したんだけど……女の子の誕生日にあんなに必死になってる大ちゃん初めて見た!!本気なんだなって思ったよ」


私には、「おめでとう」の一言もなにのに。
と、言う楓ちゃん。
でも、その笑顔は優しくて
私たちを応援してくれてるんだって実感できた。


楽しそうに大地くんの話をする楓ちゃん。
私は、実は知らなかった大地くんの私への気持ちを知れるみたいで嬉しかった。
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