魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~
何かと私はその丘に行くようになった。
寂しくなったり虚しくなったり
悲しいときや嬉しいとき
楽しい事があったとき・・・・
その丘は、行く度行く度、
表情を変えた。
春。
暖かい日差しが顔を出す朝や
芽吹き始めた草達が風に揺られ
さわさわと唄う昼
夜は、優しく見守る月が
桜の花弁を灯した。
夏。
朝は朝露で草木が濡れ
昼は暑い日ざしと虫が叫び
夜は急に涼しくなって虫達の吟は
少し、落ち着きを取り戻す。
秋。
静かな風が頬を擽る、朝。
真っ赤に染まった葉達が舞う、昼。
虫達の美しい唄が響いた、夜。
冬。
草木に美しい霜が輝く、朝。
時に、雪がうっすらと舞う、昼。
夜空には美しい星たちが踊る、夜。
ココは、いくつものカオを持ち
それを毎日毎日探すのが
私の趣味だった。