魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~
唇が離れる。
彼は脱力。
彼女は意地悪く微笑んだと思えば、
彼の変わらない表情に顔を顰める。
・・・・・あれ?
堕ちて、ない・・・・?
けれど。
「!?」
ベリルさんは、エオスをぐいっと
もっと、もっと引き寄せて
凄く、凄く、深い口づけをした。
長い、時間。
最初は暴れていたエオスも、
次第に大人しくなって。
「っ――はぁはぁっ、なんなのよ!?」
「残念だったな」
ふん、とえらそうに笑う。
その声は、とても冷たい物だった。
「・・・・・・っっ!?」