魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~





「あ、あら、エリス、、
 遅かったわね・・・・・・・」





たどたどしい。
分かりやすすぎるんだよ、母さん。





「その、ね?
 今日何かあったの・・・かな」




何かに怯えてるような
そんな口調で。




「・・・・言うほどでもないよ」




母さんは、私を怖がってる。
蝉に変えられた、証拠をみた母さんは
真っ青だった。

初めてエオスと会ってからできた
人差し指の、指先の薔薇の刻印は
日々濃くなってきて
今は堂々と、それは自分を
主張し始めている。





「・・・・それ、何?」





あの日、私を観た
おぞましい、という眼つきと、
その日の母さんの眼は、
同じだった。









< 30 / 136 >

この作品をシェア

pagetop