魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~
「あ、あら、エリス、、
遅かったわね・・・・・・・」
たどたどしい。
分かりやすすぎるんだよ、母さん。
「その、ね?
今日何かあったの・・・かな」
何かに怯えてるような
そんな口調で。
「・・・・言うほどでもないよ」
母さんは、私を怖がってる。
蝉に変えられた、証拠をみた母さんは
真っ青だった。
初めてエオスと会ってからできた
人差し指の、指先の薔薇の刻印は
日々濃くなってきて
今は堂々と、それは自分を
主張し始めている。
「・・・・それ、何?」
あの日、私を観た
おぞましい、という眼つきと、
その日の母さんの眼は、
同じだった。