魔女が涙を流す夜~リンドブルムの剣~





エオスが居なくなった、私の家は
まるで静かだった。





「ご飯、作ろ」




イスから立ち上がって、
大きななべを手にした。




あの日から、私は独りで。
独りの私に、
ご飯を作ってくれる人は居ない。




なべを火にかけて、
その火の前に座り込んだ。



『コトコトコト・・・・』



穏やかな音を聴きながら
目を閉じる。





「綺麗な人だったなぁ」





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