透明なカケラ、ひらひら
「おい、帰るぞ。」
私から咄嗟に離れて「えー、まだいいだろ」とぼやくナオを、ユウキが強引に言葉で制して連れて行く。
私は気まずい気持ちとともに、終わった、と思った。始まる前から終わるなんてね。私らしいんじゃないの、と思うしかなかった。
出口へ向かうユウキの後姿が、ふいに立ち止まり振り返った。
まっすぐに戻ってくると、私の顔を見つめた。
数秒して胸ポケットからボールペンを取り出す。
彼は無言で私の手の甲へハイフンでつながった番号と何かを書いた。
そこには、
「優希」と書いてあった。
私から咄嗟に離れて「えー、まだいいだろ」とぼやくナオを、ユウキが強引に言葉で制して連れて行く。
私は気まずい気持ちとともに、終わった、と思った。始まる前から終わるなんてね。私らしいんじゃないの、と思うしかなかった。
出口へ向かうユウキの後姿が、ふいに立ち止まり振り返った。
まっすぐに戻ってくると、私の顔を見つめた。
数秒して胸ポケットからボールペンを取り出す。
彼は無言で私の手の甲へハイフンでつながった番号と何かを書いた。
そこには、
「優希」と書いてあった。