○'s Room

それにしても…


これは隣の部屋の人に挨拶した方がいい?


いや、でもあの口うるさい人だったら嫌だなぁ…。


さっきの男子学生を思い出して、迷っていた。

そして決心した私は挨拶をしようと廊下に出て、隣の部屋のドアをノックする。


が、返事がない。



…留守かな?

ご飯食べたあとでいっか。


とりあえず、自分の部屋の鍵を閉めてさっきまで一緒にいた女の子と会ったから、話しながら階段を降りた。



「………えっと、歌ちゃん…だよね?」


「うん!あ…」


「私、加藤渚(カトウナギサ)。好きなように呼んでね」


「じゃあ、ナギ!よろしくね」



おとなしい子だと思った。
すこし声が小さいし、今日もそうだったが、男子学生に責められた時も私の後ろに隠れるようにしていた。


強いて言うなら

守ってあげたいタイプ、だ。





リビングに行くと、2個繋げて並べられた大きな机に豪華な料理が並んでいた。


「あ!うたーっ、おそいよ!!」


光希は私を見つけると、すぐさま駆け寄ってきた。



「来たね、2人とも」


「じゃあ皆食べるぞ!」


御堂さんの声で、集まってスポーツ観戦をしていた学生立ちは、返事をしながら席に座る。


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