○'s Room
男の子だと強く思わせられる台詞。
初めての経験にときめいてしまった。
今まで彼氏できた事がない私には、少し憧れに近かったこと。
リューちゃんが彼氏とかになっちゃったら、どんな感じなんだろ。
「ホントにいいの?」
「うん」
にこっと笑うリューちゃん。
それにつられて私も笑った。
「ありがとう」
ほんとにこの人は良い人だ。
─…
「へー、歌ちゃん家、俺の家と近いかも」
「ほんと?」
「うん、俺もこの道通るし。もうすぐ俺の家見えるかも。歌ちゃん家はどこら辺?」
「えっと…あ」
2人で並んで歩いていると、寮が見えてきた。
「「あそこが…」」
え…
ふたりしてハッとする。
ふたりとも指先が寮に向いていたからだ。
固まる私より先にリューちゃんが喋った。
「えっ……そういえば今日は、新人が増えるだの何だの言ってた気が…………。まさかっ…!!?」
目をまん丸にしながら私を指す。
なんか喋った方がいいのかな?
「私…今日からここでお世話になります…?」
我ながら笑えるほど曖昧な返事。
語尾に『?』って…
もしかして…
リューちゃん、ここの学生?