○'s Room
リューちゃんが言った。
「あれ、光希なんでこんなとこで寝てるの?」
リビングに入った私たちの視界に飛び込んだのは、ソファーで寝ている光希だった。
キッチンで後片付けをしていた御堂さんが苦笑いする。
「歌が帰ってこない、帰ってくるまで寝ない、と半べそでさっきまで駄々こねてたよ」
あちゃー…原因はあたしか。
「すみません…」
なんとなくそう言った。
そんな私を見てリューちゃんが笑う。
「光希ってば、いつからそんな歌ちゃんに慣ついたんだよー?」
そう言いながら、光希を起こさないように抱き上げる。
「御堂さん、光希を部屋に連れてっとくな」
「お、サンキューな」
なんて子供慣れた人なんだ…。
呆気にとられている私を覗き込むように、歌ちゃんも部屋に行かないの?と聞かれ、慌てて付いていった。
リズムよく階段を登る音。
「歌ちゃんにお願い、光希の部屋のドア開けてくれる?」
「りょうかーい」
頼み方からいちいち可愛い、リューちゃんは。
「リューちゃんの女バージョンいたら絶対モテるね」
一人納得しながら部屋のドアを開ける。
「なにそれー」
リューちゃんは笑いながら光希をベッドに寝かせた。