○'s Room
部屋を出てから廊下を歩き、2人で立ち止まる。
「じゃ、俺の部屋ここだから…。歌ちゃん、これからよろしく!」
私の部屋のドアのすくそばのドアを指差して言った。
あ、そっか。
確か私の隣の部屋に人が来るって言ってたし…
リューちゃんが隣人か、よかったぁ。
「うん、こちらこそ!」
「分かんないことあればいつでも聞いて」
「ありがとう、じゃぁ、おやすみ」
「うん、おやすみ」
互いに1メートルの離れたドアを同じタイミングで閉める。
なんかリューちゃんって友達以上にはなりにくそう。
無意識にそう考える私は少し焦る。
やばい…リューちゃんが気になってるかもしれない…。
こうなると自分がどうなるかなんて、自分がよく知っている。
中学で痛いほど経験した。
好きだと気づけば話せなくなる…
私はそういう人だ。
途端に必死に違うと押さえ込んだ。
好きになれば話せなくなるなら、好きになるな!
好きになっちゃいけない。
迷路に入る手前で何とか踏み留まれただろう。
今日は濃い1日だった。