○'s Room
なんかこんなに仲良くされると、逆に友達としか考えられなくなってくる。
好きとか…
ありえないよねー。
友達の好きは大きいけど。
「じゃ、また後でね」
大学に着いて、リューちゃんが手を上げてから違う館に走っていく。
私もそれを見送ってから、歩きだす。
さてと、私も急がないと!
─…
「ただいま」
「うたーっ!!!」
玄関で靴を脱いでいた所に光希が飛び込んできた。
バランスを崩して床に片手をつく。
「光希?」
「なんで昨日夜いなくなったんだよー!今日はあそべよ!!」
昨日たしか私が帰ってくるの待っててくれたんだっけ。
「いいよ。なにする?」
今日は別に大した課題も出されなかったし、ゆっくりしようと思った。
廊下で光希と話していると、私たちの声が聞こえたのか、他の学生が部屋から出てきた。
「あ、やっぱ光希と歌ちゃんか」
声をかけてきたのは、2回生の柳川(ヤナガワ)さんだ。
皆からはヤナと呼ばれている。
「柳川さん、こんにちは。今日は授業ないんですか?」
私は光希を抱いたまま話しかけた。
「今日は休みにした。てかさ、昨日も言ったけど敬語なんかやめてさ、ヤナって呼んでよ。」
休みにした…って
どこからどう見ても、元気そうだし…。
「はい。じゃ、ヤナ」
適当な人なのかな…?
ニコニコしながら私の腕から光希を抱き上げた。
「俺も混ーぜて、光希」
「うん!いーよ!!」
「歌ちゃんも早く荷物置いて来てね!俺は歌ちゃんがいるなら十倍楽しいから」
…おまけに軽い人だ。