○'s Room

なんかこんなに仲良くされると、逆に友達としか考えられなくなってくる。



好きとか…

ありえないよねー。


友達の好きは大きいけど。


「じゃ、また後でね」


大学に着いて、リューちゃんが手を上げてから違う館に走っていく。

私もそれを見送ってから、歩きだす。





さてと、私も急がないと!




─…


「ただいま」


「うたーっ!!!」


玄関で靴を脱いでいた所に光希が飛び込んできた。



バランスを崩して床に片手をつく。


「光希?」


「なんで昨日夜いなくなったんだよー!今日はあそべよ!!」



昨日たしか私が帰ってくるの待っててくれたんだっけ。


「いいよ。なにする?」


今日は別に大した課題も出されなかったし、ゆっくりしようと思った。



廊下で光希と話していると、私たちの声が聞こえたのか、他の学生が部屋から出てきた。



「あ、やっぱ光希と歌ちゃんか」


声をかけてきたのは、2回生の柳川(ヤナガワ)さんだ。
皆からはヤナと呼ばれている。



「柳川さん、こんにちは。今日は授業ないんですか?」


私は光希を抱いたまま話しかけた。


「今日は休みにした。てかさ、昨日も言ったけど敬語なんかやめてさ、ヤナって呼んでよ。」


休みにした…って

どこからどう見ても、元気そうだし…。


「はい。じゃ、ヤナ」


適当な人なのかな…?


ニコニコしながら私の腕から光希を抱き上げた。


「俺も混ーぜて、光希」


「うん!いーよ!!」


「歌ちゃんも早く荷物置いて来てね!俺は歌ちゃんがいるなら十倍楽しいから」


…おまけに軽い人だ。




< 22 / 42 >

この作品をシェア

pagetop