○'s Room
それからリビングで遊んだ。
しかし、飽きてしまったのか、光希は外に行きたいと言い出した。
「えぇ、光希、もうあんなに遊んだじゃん。まだ足りないのか?」
「外行きたい!」
「俺ギブ!もう疲れた!!」
「えぇーっ!?」
光希は不満そうな顔で叫ぶ。
しょうがない、私が行くか。
「光希、私と行こ?」
「やったぁ!」
「えっ、歌ちゃ…」
「ヤナさんは休んでくださいよ。私まだ元気だし」
まだ抜けきれない敬語だか、もう気にしないのか、ヤナは助かった顔で、ありがとう、と言った。
そして光希と手を繋いで公園に行く。
その公園には男の子が3人で遊んでいた。
それを見つけた光希は走り出す。
「あれっ?みつきじゃん!」
1人の子がそう言って手を振る。
なんだ、友達と遊びたかったのか。
嬉しそうに遊んでいる光希を見ていると、自然と顔が緩む。
お母さんって、こんな感じなんだ…。
春の和やかな風を感じながらベンチに座っていると、
「あれっ?歌ちゃん…?」
割りと聞きなれた声が後ろから聞こえた。
振り向いて姿を確認する。
あ、リューちゃんだ。
「うん。リューちゃんは今帰り?」
私はそう聞き返した。
「そー。てか、歌ちゃんあまりにも大人な感じで座ってたから、子供たちのお母さんかと思って通り過ぎるところだった」
はは、と笑いながら頭をかくリューちゃん。
確かに光希を見てそんな気分にはなりましたが…。
それは老けて見えたという意味か?
ここはどう返すべき?
私が悩むうちにリューちゃんが口を開く。