○'s Room
「今日は寮帰った時だれか居た?」
「うん、ヤナさんがいた」
その一声にリューちゃんが意外そうな声をだした。
「あ、まじて?ヤナさん、しつこくなかった?」
…?
何が?と聞き返すと、リューちゃんは口ごもった。
「いや、あの人…ほら、なつっこいつーか…軽いっつーか…」
「あー、軽いね。でも今日は疲れてたっぽかったし、今も部屋にいると思うよ」
バッサリと言い切ったのが可笑しかったのか、リューちゃんが吹き出して笑っていた。
「なんか意外。歌ちゃん、もっと軽い人嫌うタイプかと思ってたわ」
苦手っちゃー苦手なんだけど…
まぁ、言わないでおく。
「好き嫌いくらいちゃんと見たり話して決めますー」
「はいはい、そうですよね」
2人で笑いあった時だった。
「うたー?だれといるんだよ?」
遠くから走って来た光希を2人で振り返る。
私のそばにいたのがリューちゃんだと分かった光希は、頬を膨らませながら迫ってきた。
「りくのバカヤロっ!」
「えっ?」
いきなりリューちゃんが怒鳴られている。
「み、みつき…どーしたの?」
今度は私の方を振り向いて言った。
「ラブラブするなっ!!」
えぇ…
子供って激しい。
さっきまですんごい笑顔で笑ってたのに。