○'s Room
歌は光希を部屋に戻してから、部屋に閉じ籠った。
私…さっきからリューちゃんを気にかけているのが痛いほど分かる。
ダメだ…、やっぱ気になってるんだ。
2人の間にいた光希には悪いが、リューちゃんが気になって仕方なかった。
でも「好き」まではいっていないと仮定して、自分に蓋をするのは忘れない。
しばらくベッドに頭を突っ込んで静まっていると…
「あはは、それほんとかよ!?」
なにやら電話をするリューちゃんの声が隣の壁から漏れきた。
誰と話しているのか気になり、そっと壁に耳を当てる。
盗み聞き…ってやつです。
キモいな、私。
自分をけなしながら集中する。
「そんなこと言って、俺がいなかったら困るって事?」
…相手…男の子?
それとも
「そんなわけないでしょ、俺は仁美ちゃんに言ってるの」
…ひとみちゃん?
性別が分かった瞬間、リューちゃんの口調が普段より柔らかいのに気づいて、肩がガックリとなった。
「…あーぁ、ちゃんと好きになる前に気付けてよかった…」
じゃなきゃ今頃泣いてるところだ。
そりゃ出来ちゃうよね、あんなに笑顔がかわいい男の子、放っておく人なんかいないだろうし…。
「ご飯出来たからみんな降りてきて!」
下から御堂さんの声が響く。
私は部屋をでながら呟いた。
「ついてないなぁ…」
「何が?」
…!?