○'s Room


それからしばらく経った。


学校の食堂に最近出来た友達と行くのが日課になってきている。



「あーあ。一人や二人いい男すぐ見つけられるとおもったのに!」


1人の子が嘆く。

まぁ、誰だって理想はあるだろうけど。



「そんなのそうそう直ぐ見つかんないって」


ねぇ?と別の子に話をふられ、慌てる私。



「あぁ、どうかな…人それぞれ?」


語尾が?になってしまったが、私はすでに気になりかけている人がいる。


「えっ、てことは…歌、彼氏いるの!?」


ゴホッ…


後ろの席の人がビックリしたのか、飲んでる最中だったみたいだ。


「ちょ、声でかい!いないし!!」


慌てて拒否る。



後ろの人に謝ろうか迷ったが、こんな話を聞かれて顔を見られるのも気が引ける。


「なーんだ、ちがうのか」


なんとか静まったからよかったものの…




その日の帰り道…



「歌ちゃん!」


後ろから声がかかる。

もちろんリューちゃんだ。



「リューちゃんも今帰り?」

「うん、一緒に…」


多分「帰ろう」と言うつもりだったんだろう。

だが、その声は途中で切れた。



「高城くーん!ちょっと来てー?」


なにやら可愛らしいキラキラした子が私たちの後ろに立っていた。



…誰だろう。


「…仁美ちゃん、何?」


リューちゃんが一歩後ろに下がって言う。

ちらっと見えた表情からは何も読み取れない。


「こっちきて」


言われた通りに動くリューちゃん。



2人でなにやら資料を見ている。


長引きそうだったので私はリューちゃんに、先に行っとくね。とだけ伝えて歩きだした。



「あっ、歌ちゃ」


「ちょっと待って。ここも解んないの…」


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