○'s Room
何か言おうとしたリューちゃんが、その子に引き止められていた。


ほんとは待っとけば良かったんだろうけど、私は我慢の限界だった。


意外と私はヤキモチ焼きだ。


一応私だって女だから、あの子がリューちゃんを狙っているのは直ぐ分かった。

あんなの見てらんない。


しかも、仁美ちゃんって…


この前、リューちゃんが電話してた人だ。


ライバル出現…てか、私の方が可愛さ負けてる、絶対。



その日はリューちゃんが追い付く事もなく、寮に着いた。




玄関で毎度のことながら光希のお出迎え。



「うたー!お帰りー!!」


「歌ちゃん!帰ってきたんだ!一緒にゲームやんない?」


リビングから顔をだしたヤナさんが誘ってきた。


「しよーよ!」


光希も一緒に今までやっていたみたいだ。



「じゃあ、やろっかな」


「よっしゃ、んじゃ歌ちゃんは俺のチームな!」


「ちがうよ!俺のチーム!!」


今度は私の取り合いかい!

ヤナさんのわざとらしい子供っぽい話し方はもう慣れた。


光希と仲がいいのは、こういうところも含めて、だ。


「あれ、今日はリビングがやけに賑やかだな」


いつのまにやらナカジも下に降りてきていた。



「ナカジもやれ!ほら!!」


ヤナさんにポイッとリモコンを投げられイラッとした顔になる。


「あぁ?ヤナ、てめぇ危ねえだろーが」



「あっ、始まったぞ!!」

「はぁっ?おい!」


いつのまにかナカジも参戦してるし…。



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