○'s Room

有無を言わさず連れ出される。


なんか今日のリューちゃん、強引な気が…


連れ出すといっても、本当に近所を散歩しただけだった。



歩き回って疲れた頃、お昼を食べていなかったから、近くのカフェで食べる事にした。




2人で席につきメニューを見て頼んだ後、「今日は俺のおごりだから」と言ってくれた。


まぁ、私はとっさに

「え、いいよ、悪いし」

「でも誘ったのは俺だし。いーから」


「ホントにいいよ、自分で出すから。でも、ありがとう」

と言ってしまう。



あちゃ、こういう時は素直に従うべきなんだっけ?

ガッカリされたとか…?

てか、まだ食事終わってもいないのに初っぱなからこの話は少しズレてません?



どぎまぎしながら考えていると、リューちゃんが突然切り出した。



「歌ちゃんはさ、彼氏できたら甘えるタイプ?」


「…っ!?」



急に何を言い出すの!?


驚いて飲んでいたお水でむせかえる。



「あ、ごめん。急すぎた?」


クスクス笑ながらも、完全な冗談で聞いてきている感じではない。


「な、なんでそんな事聞くの?」


「普通の女の子って、こういう時はラッキーってなんないの?」


最初、言っている意味が解らなくて私は首をかしげた。

が、なんとなく理解した。


「あー…人によるかな。おごってもらうのが当たり前!って人もいるだろうし。私はおごってもらうの、気ぃ使っちゃって苦手だから。」


「へー。まぁ分かんなくもないね、それ。」


「でしょ?言ってくれるのは嬉しいんだけどね」



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