○'s Room
心だけ
─…
「皆ちょっといい?」
いきなり御堂さんにリビングに呼び出された私達。
「そろそろ1回生たちもこの生活に慣れてきたから、親睦会をこのタイミングでしようと思って」
そう言った御堂さんにナカジが突っ込む。
「親睦会…って、遅くないっすか?」
「親睦会!万歳!!」
遮るようにヤナさんがはしゃぐ。
「ちょ、うるせぇ」
ナカジが呆れ顔でため息をつく。
「ナカジ、仮にも先輩に向かって…」
「3月にここ来た時、タメだと思っていいっつったのアンタだろーが!」
あー、また始まった…。
もめる2人をほったらかして、残りで話しは進んでいった。
「んじゃ、毎年恒例のでいいじゃん」
4回生の瀬戸さんが言った。
瀬戸さんはなかなかこの寮で顔を合わすことがない。
まぁ、就活大変だろうしなぁ。
「せとちゃん、お前行く気?」
瀬戸さんの隣で同じく4回生の中田さんが言った。
「だって親睦会行かなきゃ、他に俺らの遊ぶ時間作れると思うか?」
「ああ、思わないわ」
「だろ?」
…結局は2人とも来るのね。
「了はどうすんの?」
福原了(フクハラリョウ)さんは2回生。
ヤナさんと同じだ。
皆からは了と呼ばれている。
「別にどっちでもいい…」
そういいながら、ソファーで大きなあくびをしている。
なんというか、この人も自由な人だ。
昼間はずっと寝ているイメージが定着している。
いつ大学に行っているのか、気になるけど。
「もぉ、自由なやつー」
何言ってんですか!?
あなたもですよ!ヤナさん!!