○'s Room
「俺、お母さんとはぐれて…寂しかったんだ…」
寂しかった…?
私はみつきのセリフに少し引っ掛かったが、その言葉を聞いた女性は涙ぐみながら言った。
「あんたが無事でよかったよ………何より…よかった……」
みつきに歩みより、そっと抱き寄せた。
みつきは何でおばあちゃんが泣いてるのか分からないまま、キョトンとしていた。
「じゃあ…こいつらは誘拐犯じゃねぇのか…?」
「だから、うたをいじめないで!うたがいたからここにもどれたの!!」
みつきがおばあちゃんから離れ、男子学生からかばうように私の前に立つ。
「はいはい、ちょっと待って」
パン、と手をならして辺りを沈めたのは
綺麗なお兄さんだった。
「君たちには感謝するよ。ありがとう。でも、ここに来たのには光希と、その他の用事もあるんじゃない?」
あ…そうだった。