○'s Room
「こいつら他にも用あんのかよ…」
「はい、ナカジ、あっち行ってな」
ナカジと呼ばれた男子学生は戻るように促され、その場にいた学生たちも解散し始めた。
「君たちはこっちにおいで」
そう言われ、ソファが向かい合っている個室に通される。
そこは何故か校長室みたいで緊張した。
「俺は御堂海斗(ミドウカイト)。ここの管理人だ。で、君たちは…」
管理人さんなんだ…。
優しい声に私は口を動かした。
「私たち…ここに今日からお世話になる学生なんですけど…」
「やっぱり。今日は確か手違いの学生が来る日だったから、そうじゃないかと思ってたんだよ」
「は……手違い?」
私ともう一人一緒に来た女の子は互いに目を合わせる。
御堂さんは手元の書類をあさり始め、ある一枚に目を止めた。
「えー…っと、確か…浅宮さん、だったかな?」
「あ、それ私です」
私の何が手違いになったの?
「非常に残念なんだけど…、君の部屋が女子部屋と男子部屋の境目なんだ。だから、隣が男の部屋になっちゃって…」
「ええっ!!?」
思わず声が出てしまった。
隣の部屋に男は嫌だよ…。