○'s Room
その隣でほっと胸を撫で下ろす女の子。
誰だって嫌だよね…
「いつもなら互いの境界になる部屋は空き部屋にしてるんだけど…今年は人数が多くて…申し訳ない」
「あ…いえ……」
御堂さんの顔を見ていると、ワガママを言いにくくなってしまった。
「じゃあ…仕方ないとおもうので、私は別にいいです、その部屋で」
「本当に?ありがとう、……」
御堂さんは書類を見ながら言葉を止めた。
「名前…うた、ちゃん……だよね?」
「あー、はい!そうです!!」
すごく自信なさげに聞いてくる御堂さんが面白くて、笑ってしまった。
それから寮内の規制などの説明を受け、自分の部屋へ通される。
「うわ…広い……」
少し写真に乗っていた部屋より広い気がする。
「ここともう一つ左の部屋は荷物置き場として作った場所だから、他より4畳広いんだよね」
「そうなんですか…」
ちゃんとハンデはあるんだ。
ならいっか…。
「じゃあ、用意できたら一階に降りてきて。夕食ができるから」
「はーい。ありがとうございます」
御堂さんはもう一人の女の子を連れて、私の廊下を挟んで右隣の部屋に行った。