隣人は変人です
「春花ちゃん、どうしたの? 寂しかった?」
葵ちゃんが、そっと手を伸ばしてきた。
きっと私の涙を拭おうとしてくれたんだと思う。
「触らないで!!」
涙でぼやける彼の顔が困惑してるのが分かる。
「ごめんなさい」
私は彼が動かない隙に、とっさに彼を廊下へ押し出しドアを閉めて鍵を掛けた。
"うぁ~ん、わぁ~ん"
感情を抑える事が出来ずに、私は大声を出して泣き続けた。
悲しかった。
何に?
もう自分でも訳が分かんない。
失恋だけでなく。
もう友人関係も続けられないんだ。
ごめんね。
ごめんね。
自分から拒否したのに、悲しくて、悲しくて涙が止まらなかった。