隣人は変人です
恋人にゴー♪
「オレんち、来る?」
ちょっと気持ちが落ち着いた私たちは、お互い火照る顔を誤魔化すように、手を繋いで部屋に入った。
「おじゃま…します」
葵ちゃんの部屋だぁ。
ドキドキする。
「え…?」
「驚いた?」
「う、うん」
「オレっぽくない?」
そう。
目の前に広がる光景は、無駄な家具のない、さっぱりとした黒で統一された"大人の男"ていう部屋で。
てっきり、かわいい乙女な部屋を想像していた私は、呆気にとられ開いた口が閉じられず…。
"ちゅ"
「え?」
「ふっ。間抜け面」
キスされちゃった。
「………」
何が起きたんだ?
「恥ずかしい…じゃん」
「いいでしょ? 恋人同士なんだし。それとも入れちゃう?」
「何を!!」
ギロって睨む私。
ムカっ。またうまくかわされた気が。
「誤魔化さないで!!
葵ちゃんは何者なの?」