隣人は変人です
首筋を"ちゅっちゅっ"触れる唇は、くすぐったいけど、彼の好きを感じられて気持ちがいい。
私は甘い雰囲気に流されそうになるのを抑えながら、葵ちゃんにさらに質問してみた。
「ねぇ?
何でキャラもんが置いて無いの? 葵ちゃん二重人格? それとも私を騙したの?」
「キャラもん服はクローゼットの中に入ってる。
キャラもんが好きなオレもオレだし、シンプル黒が好きなオレもオレ」
「まだよく分かんない」
う~ん
葵ちゃんてば、ちゃんと説明する気があるのかな?
「オレね、若い女の子向けの仕事が多くってさ、気持ちを乗らせる為にキャラ服着ていたら趣味になった…というか。落ち着くんだよね」
「黒はもともと好きだよ。今日の春花ちゃんのワンピースも好き。
いつもと雰囲気違うよね。メイクも違うし。
オレは春花ちゃんの秘密も知りたい」
"春花ちゃんは何者?"
爽やかな笑顔を向けながら、また私の唇に彼の唇が触れた。
"ひゃん"
うん、もう。秘密。
教えてあげないんだから。