S・S・S







『今日のゲストは、オリンピック代表選手の、羽田空(ハネダエア)ちゃんでした。ありがとうございました。』


『ふふふ。ありがとうございました!』


『もーーーっ!あたし、エアちゃんの大ファンになっちゃった!また、ぜひ遊びにきてねーーーっ!』


『あは。モモさんも。ありがとうございます。私、実はトウマさんのやってる深夜番組のファンだったんですよ。テレビや雑誌でみるより、カッコよくて! 今日は、会えて嬉しかったですぅ。』





――――――…





遠く……




あたしの大好きな甘い声と

妙にはしゃいだ、耳障りな声が2つ

スピーカーから、聞こえている。




――…トウマの番組?


あぁ、今日ゲスト来るって言ってたな…

そして… 

アシスタントで喋ってるのは… 

これ… モモ?





『… そう? 嬉しいな。エアちゃん、いつでも遊びにおいで。…待ってるから。』

『え……///』






――――――… 落ちたな。



こんな風に甘く誘われちゃったら

放送聴いてるだけであたしだって腰が砕けそうなのに

あの狭いブースの中、至近距離で囁かれようもんなら

まだ16歳の羽田選手なんか、一発でKOだろうな…





くっそ、あのエロ大魔王めが…






「… ばぁか …」



「……… サラさん、目、覚めました?」


柔らかい声にハッとして瞼を開けると、

ベッドの横に、シュンくんが座っていた。







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