S・S・S




「あ。見つかっちゃった。やだなぁ、もう、ノックくらいしてくださいよ。マナー違反ですよ。」


「えーー!ごめんなさいっ!だって、サラちゃんと俊一くんがそういう関係だったなんて、あたし全然知らなくってぇ…びっくりしちゃったぁ。えーー!いつから?いつから??…」





―――… ちょっと、待ってよ。





2人のペースに、全然付いていけない。





黙ったままの あたしと、トウマ

盛り上がる シュンくんと、モモ


そこにはふたつ、別の時間が流れていた。





水を得た魚のように一気に喋りだすモモ。

その、機関銃のようなトークを
これほど、厭わしく感じたことは無い。






「じゃぁ、僕はこれで失礼します。午後は忙しいんで、仕事戻りますね。サラさん、また、あした。」



そして天使のような軽やかさで、シュンくんは出て行く。

羽根を、広げて。



その軽やかな後ろ姿に

あたしは、かける言葉が、見つからなかった。






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