S・S・S
そして、ベッドに来て
あたしの汗を拭こうとしてくれたモモが…
それを…… 見つけてしまう。
「わっ!!やだっ!! サラちゃん、首のとこ、これ、キスマーク?!やぁーーん!激しいの、されちゃったのーー!?見かけによらず、俊一くんったら…肉食系なのねっ!!
トウマさん!トウマさん!!見て見てーー!サラちゃんったら…」
「… 黙れ。」
ビク、と
あたしに背中をむけたモモの身体が震えたのがわかった。
それは
これまで、聴いたことのない
どこまでも低く、冷たい、トウマの声だった。
「モモ…お前は、戻って佐伯のサポートしてこい。」
「え…でも…トウマさん、は…」
「すぐに戻る。早く行け。」
「は…い………」
その眼光たるや
ちょっとやそっとの迫力じゃなかった。
あれほど空気を読まないモモも
瞬間、言葉を失っていた。
まるで、
氷の刃のような、鋭い眼差し。
… どうして、そんな目をしてるの?
「トウマ……」
シュンくんとモモが
出て行った、その部屋には
あたしと、トウマの二人が残される。
「………」
重い沈黙が、空気を硬くさせて
向き合ったトウマの表情は
いつにも増して…
冷たく、強張って、いた。