S・S・S
「―――… 大丈夫、か?」
掠(かす)れたような、トウマの声。
いつもの、艶のあるバリトンとは違う…
その、アンバランスさに胸がキュっと苦しくなった。
その、妙な冷静さに
掠れている声に
正体のわからない感情が隠されているような気がして
怖くて、とっさに、背中を向けたあたしの耳に、微かなため息と共に信じられない言葉が届いた。
「悪かった……」
―――… トウマ?
「そんなに無理させてるとは、思わなかった。明日からしばらく、出なくていい。当分、休め。」
―――… なに、言ってるの?