S・S・S
「し… “仕事に穴を開けるな”って言ったの、トウマじゃない!!…… ェホッ…」
ゲホゲホゲホッ… 俄かに激しい咳が襲う。
ただでさえ、熱のせいで顔が熱いのに、急に全身の血が顔に集まってきたような気がして、クラクラした。
喉が……痛い…!!
「っ……… アホかお前は…!」
そう言って
トウマはあたしの上半身を起こし、
抱き締めて、背中をさすってくれた。
―――― まるで、こどもを、あやすみたいに。
思わずしがみ付いたトウマのシャツは、涙と鼻水で皺くちゃになっていた。
耳のすぐ近くで、トウマの声が聞こえる。
「…… 最悪だな… 頼むから、これ以上オレの頭痛のタネを増やすな。咳はクセになるし、喉も痛める。」
「…… はい」