S・S・S
「シュンくんじゃ、ないっ…!」
思わず、叫んでしまった。
だって……、あんまりだ。
これは、あなたが、付けたんじゃない。
昨日の深夜
優しく…愛を囁きながら。
「これは、シュンくんじゃ、ないよ……」
「なに?」
首元のトウマの手に、自分の手を重ね合わせて
震える声で、尋ねた。
今朝と、同じ質問を…
「トウマ、おぼえて、ないの…?」
瞳が見開かれる。
……忘れた、なんて言わせない。
「トウマ……っ」
…あたし、どうかしてる。
こんなことするなんて、どうかしてる。
だけど、どうしても
トウマに、分かってほしくて
誤解を解きたくて
「―――… サ…」
泣きながら
噛み付くような キスを…
して…しまった。
瞬間、驚いた表情をしたけど
トウマは、それを
避けなかった―――…