S・S・S



そこは、つい1週間前
あたしが、ランチレポートした日
トウマに呼び出されてからかわれたのと、同じ場所だった。



でも、今の状況は、まるきり違う。


あれから、あたし達は、キスまでしたのに
どうして、いま、こんなにもあなたが遠く感じられるんだろう。


この、よそよそしさは、何なんだろう。






―――…怖い。




この、距離が

全身で、あたしを拒絶するような
あなたのその態度が――…怖い。





「……あたし、言われた通り、がんばって風邪も治して復帰したじゃない。」


「……あぁ。」


「せ、めてっ…おかえりって…言ってくれたって、良いじゃない…っ」


「……サラ…」




泣くつもりなんか、なかった。

でも、途端に涙が溢れて、止まらなかった。

サエさん…やっぱり、サエさんの気のせいだよ…。





――――…








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