S・S・S
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聖夜の魔法なんて、信じない。
12月24日、クリスマスイブ。
SSステーションは総勢10名。
イベント対応で朝から臨戦態勢だ。
大魔王は朝から気合い入りまくり。
「いいか、今日は系列局で昼に30分間、全国ネット繋いでるからな。全力でいくぞ。」
「ハイっ!!」
「その他にもイベント沢山あるからな、全部、成功させんぞ。」
「ハイっ!!」
「よし、じゃ、全員並べ。円陣組むぞ。」
「ハイっ!!」
「せぇのーーー!!ファイっ!おぉぉーー!!」
センターハウスの隅々まで、威勢の良い掛け声が響き渡った。
(ちょっと… なんでこんなに体育会系なのよぉ…)
そこには、ひとり、みんなのテンションに付いていけない、あたしがいた。
「―――… おい、サラ。」
それぞれ担当の仕事に散っていくみんなの中から、トウマがあたしを呼び止めた。
「は… ハイっ!!」
ビクン、と身体に力が入る。
何?なんですか?
なんでそんなに真剣な目をしてるんですか?
「…ちょっと来い。」
低い声で呼ばれて連れて行かれたのは、DJブースの奥にある非常階段。
鉄製の扉を開けると、ヒンヤリした空気が頬に触れた。