S・S・S
*
大崎…いいや、烈火さん!
『湯けむりに包まれて登場』って、何よ!?
湯…って、演歌?ダメだ、それ禁止だからええと・・
ぐるぐる、頭が回りそう。
時計を見ると、残り2分。
この曲が終わって、CM出して、“S・S・ステーション!”のジングル打って…12時だ。
「さて…どうすんだ…?」
「トウマ。」
心配そうに、でもちょっとワクワクしたような表情であたしを見る。
不安と期待を込めた、その視線が…嬉しいなんて。
きっと、あなたは知らないだろうな。
そーいうの、きゅんとしちゃうんだよ。
その視線ひとつで
どれだけあたしの心に火をつけてるか…
知らないでしょ、トウマ。
「―…見てて。」
―…受けて立ってやろうじゃないか。
宣言して、あたしは向かう。
烈火さんと大崎のいる、戦場へ―…。
(ロッキーのテーマでも流しといてくれるかな)
12月29日。あたしは、ちょっとだけ、レベルアップした。