S・S・S
「サラちゃん!ありました!ジュディマリのPOP LIFE!」
バン!と扉を叩いて灯歌ちゃんが駆け込んでくる。
「ナイス!灯歌ちゃん!!最初にそのアルバムの5曲めセットして!で、trapは2曲目!OK?」
「5曲め…!? …!! なるほどです!全部、O、Kですっ!」
残り、10秒。
―…さぁ、カウントダウンだ。
正午のオープニングには若干ゆるいスタートだけど、でも。
“湯けむりの中から”には間違いない。今のあたしには、これが精一杯。
灯歌ちゃんの手からディスクが機械に吸い込まれていくのが、やけにスローに目に映った。
5,4,3,2,1… ミュージック、スタート★