S・S・S



「あたしは…欲張りですから。どれも捨てませんよ。」

「は?」

「“ピンチを、チャンスに変える”って事の意味を…烈火さんに教えてもらった気がします。」

「それは…どういう事かな。」




訝しげな表情の中にも、あたしを受け入れてくれてる温かさが感じられて。





――…意外と、
悪い人じゃないのかもしれないな。





そんな風に思いながら、ヘッドフォンを再び耳にセットする。


そして、オンエアに戻る直前、

烈火さんに言った。





「あたしは、どの好意もムダにしません。」



オープニング用に、
灯歌ちゃんが選んでくれたtrapにも。


ちゃんと、繋げるから。






――…




「サラちゃん!そろそろ曲終わります!残り30(秒)!」

「OK!行こう、2曲目のtrapは?!」

「準備できてます!」




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