S・S・S








そう。でも―…



泣いてる、場合じゃない。



残る敵は、あと―…2人。

(…この小説はラブコメじゃないのか?)



【一難去って、また一難】


ああ、嫌な言葉だ。
けど、あたしの戦いは続く。


哀れな戦士は、戦い続けるしか、ないのだ。

(だから何キャラなのよ、あたしはっ!?)





――…





「さて、この12時台には、新しい企画!“あなたのハートをデリバリー!”がスタートします★

そうそう、朝からDJ大崎が募集していた、あの新コーナーです!今日のレポーターは、DJモモ♪

さてさて、トップバッターに、どんな方が登場するんでしょうか!?告白の行方は!?このあとの中継を、お楽しみにー!!」



なぁんて。

モモの企みも知らずに、
半分涙ぐみながら、あたしは浮かれていた。


…完全に。




―――…





「もしもーし、モモさんですか?回線チェック、お願いしまーす!」

「………はい…はい……ええ、OKです、で、場所はどこですか?え?館内?…お客さんは?」



灯歌ちゃんが、中継回線のチェックをしてる、その会話が…





「え、それって…ええ?!モモさん、、、それ、マズくないですか?あんまり…いや、“良いじゃない”ってゆーか…あのっ!」





雲行きが怪しいな、どうしたのかな?



「モモさんっ!」




ツー、ツー、ツー…

切れた電話回線の音が、こちらにも聞こえてきた。




「どうしたの、灯歌ちゃん。もうすぐ中継コーナー入るけど…」

「いえあの…中継回線は問題ないんですけど…モモさんが…」

「モモがどうかした?」

「その―…よくわかんないんですけど…どうも、相手がお客さんじゃないみたいな雰囲気で…そういうの、良かったのかなって…」






――…ん?





ヘッドフォンの片耳を外して
不安そうな表情をした灯歌ちゃんを見ながら

なんだか、とてつもなく、嫌な予感がした―…。





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