S・S・S
*
そう。でも―…
泣いてる、場合じゃない。
残る敵は、あと―…2人。
(…この小説はラブコメじゃないのか?)
【一難去って、また一難】
ああ、嫌な言葉だ。
けど、あたしの戦いは続く。
哀れな戦士は、戦い続けるしか、ないのだ。
(だから何キャラなのよ、あたしはっ!?)
――…
「さて、この12時台には、新しい企画!“あなたのハートをデリバリー!”がスタートします★
そうそう、朝からDJ大崎が募集していた、あの新コーナーです!今日のレポーターは、DJモモ♪
さてさて、トップバッターに、どんな方が登場するんでしょうか!?告白の行方は!?このあとの中継を、お楽しみにー!!」
なぁんて。
モモの企みも知らずに、
半分涙ぐみながら、あたしは浮かれていた。
…完全に。
―――…
「もしもーし、モモさんですか?回線チェック、お願いしまーす!」
「………はい…はい……ええ、OKです、で、場所はどこですか?え?館内?…お客さんは?」
灯歌ちゃんが、中継回線のチェックをしてる、その会話が…
「え、それって…ええ?!モモさん、、、それ、マズくないですか?あんまり…いや、“良いじゃない”ってゆーか…あのっ!」
雲行きが怪しいな、どうしたのかな?
「モモさんっ!」
ツー、ツー、ツー…
切れた電話回線の音が、こちらにも聞こえてきた。
「どうしたの、灯歌ちゃん。もうすぐ中継コーナー入るけど…」
「いえあの…中継回線は問題ないんですけど…モモさんが…」
「モモがどうかした?」
「その―…よくわかんないんですけど…どうも、相手がお客さんじゃないみたいな雰囲気で…そういうの、良かったのかなって…」
――…ん?
ヘッドフォンの片耳を外して
不安そうな表情をした灯歌ちゃんを見ながら
なんだか、とてつもなく、嫌な予感がした―…。