S・S・S
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その後の反省会で、モモはしばらくDJを自粛する事になった。
目立つ事が何より好きな彼女にとって
それは、一番堪える罰だろう。
あたしは、何故か烈火さんにベタ誉めされ
(冒頭の湯煙の切り返しに加え、trapの選曲とスムーズな繋ぎ、そしてハプニングにも関わらず、ねるとんネタを瞬時に解しオチまで付けた事を、かなり評価していた。)
「いやーHAHAHAHAーー!これはトーマスのお手柄だNE!安藤サラちゃん、雪山シーズンが終わったら、ぜひうちの局に来て欲しいNA。ま、詳細はまた春が近くなったらNE。」
なんて、ご機嫌だった。
あたしは…手放しには、喜べなかった。
だって、あたしには、まだやらなきゃいけない事が沢山ある。
まず、シュンくんにちゃんと会って、直接、『ごめんなさい』を伝えること。
そして…トウマに―…
ちゃんと、自分の気持ちを…伝えなきゃ。
伝えるべきじゃ、ないのかもしれない。
『安藤サラに手を出すな』
と、烈火さんが最初にトウマに言った理由は―…今日ので少し分かった、ような気がする、けど―…
なら、せめて、知ってて欲しいよ。
あたしの、気持ち…。