S・S・S







(―… いやまぁね、そんなウマい話あるわけないと思ったケドね。)




今日は、あたしの番組担当は無い。

イベントのある大切な日だし、新人だから当然かもしれない、けど…



代わりに、トウマがしゃべる全国放送の中で、現場に出てリポートをするという重要任務を与えられていた。




つまり、あたしにとって今日は、

“公共電波&全国デビュー”という
実はとんでもない日、なのだ。





だから。

トウマは、“大丈夫か”、と
あたしを呼び出して聞いたんだろうけど。








―――… けど!! でも!!




「なにも、あんな聞き方しなくても…」




胸の動悸がまだ治まらない。

呼吸困難で死んだらどうしてくれんのよ、トウマのバカっ!







―――――――…



『あれ? なに、まさかイケナイ事されちゃうって思った?エロいなー、サラちゃん。』

『~~~~!!』



あのあと、
顔を真っ赤にしたあたしをからかう様に

トウマはあたしの額を小突いた。




『どうせ下手くそなんだから、色々考えても無駄。せめて元気にリポートして来い。』


そんな、とびきりの一言と共に。




―――――――――… 










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