S・S・S


「わかってます。十分、身に沁みました。多分、応援してくれたから…。

シュンくんは、ずっと“トンガリ帽子”ってラジオネームで番組にメッセージをくれてたんです。カフェスタッフでメールなんてしてる暇はないだろうに、毎回欠かさず送ってくれて。

 そんな風に支えてくれた彼が、仕事をする上で欠かせない存在になっていたのもまた事実で。それもあって、冷たくしきれなかったんです。

 まだ新人で、自分に自身が持てなくて、何かを“発信”していくことが怖かったんですよね、あたし。だから、無条件で自分の味方になってくれる人って、絶対に必要だったんです。それを失うのが…、怖かった。」




「サラちゃん――…


って、“トンガリ帽子”さん?って、俊一くん、なの?」


「はい、そうなんです。」



「―――――――…っ」

「サエさん?」



しばらく口を開けたまま、サエさんは何も言わなかった。

急に黙ってしまったのは、どうしてだろう?




「あー…と、えーーーと…ま、まぁいいや。それで?」

「? えと、夕方、トンガリ帽子さんのメアドに、メールしたんです。今夜、ロビーで待ってますって。」



「―――…って、えええっ!?マジでっ!?」

「・・・はい?」

「マジで呼び出したのっ!?そのメアドにメールして!?」

「あ、はい…ごめんなさい。個人情報でNGなのは分かっていたんですけど…連絡手段が無くって…」

「あはははははははは!!!!」

「・・・サエさん?」

「ヒィィィィィーーーーっ!!!!」

「・・・あのー…?」









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