S・S・S



緩やかな時間の流れる朝のレストランに、ひどく不似合いな声がこだました。



―――… 大崎くん?



立ち上がった弾みで椅子を倒して、後ろのお客さんに迷惑をかけている模様。「わわっ!す、すみませんっ!」なんて声も聞こえる。

背が高いのが裏目に出て、余計に悪目立ちしてるなぁ……大崎くん…なにやってんの、あんた。



「ひ、灯歌さんっ!!そそそそのそのその、年越しライブっ!! ぼぼぼぼくと一緒にいいいいい行きっ… 行きっ…」


「………あれ?…大崎さん?」



不可解な顔をしている灯歌ちゃん。(ってゆーか、この時点まで存在に気付いてもらえてないって……哀れ、大崎)


しかし、これはもしや。


大崎くん、もしや―…灯歌ちゃんを…ライブに連れてってあげるつもりか!?!?誘えるのか、大崎!?






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