S・S・S
インタビューをお願いした家族連れは、ノリノリでOKしてくれた。
割と常連さんらしく
『うわぁ、サラちゃんだ!あとでサインください!』
なぁーんて、お願いされちゃったりして。
あたしもなかなか良い気分だった。
パパ、ママ、小学校低学年くらいの男の子の3人家族。
メインでお話を聞くパパはおしゃべり大好きそうだし。
いいじゃない、いいじゃない、上手くいきそうじゃない?コレ。
『サラちゃん、あと1分で曲終わるから、そしたら中継行きまーす!』
「了解、ですっ!」
―――… この、あたしに降りてくる瞬間を待つカウントダウンの、なんとも言えない緊張感が、好きだ。
キュっとマイクを握り締めた時の、高揚感。
――… 『春から、喋り手として』…
トウマの言葉がリフレインする。
それもいいかもしれないな、なんて頭の片隅で思った。