S・S・S
「い、いや、あの!NE!?仕事中だYO?!いやいやいやい…あー!ちょっ…灯―――っ!!」
「なんで、いるのって言ってるの・よーーーっ!?」
キィィィィイィィィン!と、マイクが鳴き続ける。
あーあー…
もはやステージは大混乱。烈火さんがさっきまでスクラッチしていたレコードは空回りを続ける。予想外のハプニングにお客は動じることもなく、むしろ「イエーイ!」なんて盛り上がっていたりするけれども…
頭を抱えるあたしとトウマを余所に、パニック劇場は続く。
「だっ!!ごめっ!ごめんって!」
「自分は来れるからいいよね!自分は!自分は好きなバンド近くで見れてさ!なによ嘘つきっ!いっつもそうだよ!自分ばっかり楽しんでさ!置いてかれるあたしの気持ちなんて知らないでさっ!こんなもの!こうしてこうしてこうしてやるーーっ!!」
おぉ、灯歌ちゃん、そのコードは引きちぎったらマズイのではないか。てか、感電するから!危ないっって!ノォっ!……おぉ、大崎!大崎が止めに入ったー!よし、セコンド!タオルだ!ブレイクブレイクっ!