S・S・S






「じゃぁ、最後に、おとうさんにリクエスト曲を言ってもらいましょう。」


よし、完璧!
残り時間は20秒。


『ワムのラストクリスマスです。』『以上、現場から、DJサラがお伝えしましたー!』で、綺麗に収まるわ。



「あ、はい、えっとリクエストは、…」

残り、15秒。

手元の時計を見ながらカウントダウンを始めた、そのとき。




―――… 悪魔が、光臨した。





あたしは、すっかり、忘れていたんだ。






―――…


“小学生男子は、スカートを見たらめくらずにはいられない”という、その常識を。





ふわり、赤いワンピースの裾が宙を舞って。

あたしの太ももに、場違いに爽やかな風が吹き抜けた。





――――… んん!?!?



そして、あたしの絶叫よりも早く、

その小学生特有の甲高い声を、――…マイクは、拾ってしまった。







「アーン、パーン、マーン!!!!」








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